NEW ENTRIES
発達障害の早期支援―研究と実践を紡ぐ新しい地域連携
![]() | 発達障害の早期支援―研究と実践を紡ぐ新しい地域連携 (2008/02) 大神 英裕 商品詳細を見る |
個人的オススメ度:★★★★★
読んでほしい方:ずばり発達臨床現場の専門家の方。
発達臨床に興味のある方。
大神先生の個人的ファン。
■ネタバレしない程度の内容紹介
ああもう!ネタバレ上等で紹介させていただきますよ!
あの「糸島プロジェクト」についてまとめられています。
やばいわこの本は・・・。どの頁にも無駄がない。
なんつう恐ろしい本なんだ・・・。
というわけで、専門書初の五つ星でございます。
発達臨床家なら誰もが心に留めてきた「共同注意」。
二項関係、三項関係へと変化していく子どもたちの相互作用。
もうとにかく読むしかない。
ちなみに発達心理の基礎のない人には、
ある意味でわかりにくい一冊かもしれん。
発達臨床の専門家を自負するなら是非お手元に!
[内容]
はじめに
1 発達障害を巡る施策と研究の動向 問題の背景
2 共同注意を軸とした社会的認知の発達過程
3 地域連携の実践に向けての端緒 研究の目的と方法
4 共同注意の定型発達過程
5 ハイリスク乳幼児のスクリーニング
6 親子教室・発達支援相談・個別療育による早期対応 発達支援の実践I
7 地域連携による移行問題への対応 発達支援の実践II
8 研究と実践をつなぐ地域連携体制の今後の課題
◇発達の予兆を読む 糸島プロジェクトの奇蹟
引用・参考文献
資料 1. 縦断調査チェックリスト
2. CHATのチェックリスト
3. M-CHATのチェックリスト
4. 成長記録ファイル
5. 就学児用チェックリスト
6. 関連する法令,通知等
おわりに
[感想]
ひっっさびさに巡り合えた良書。
心から「大神先生、まとめてくださってありがとうございます」と言いたい。
いやあ・・・「9ヶ月の奇跡」ってとても気になるワードなのですが、
どうにもこうにも抽象論に流れちゃう場合もあってですね、
関連論文なんぞを読むと、
「えーと、チミは新しい理論構築をしたいだけなのか?」とかですね、
「何十人と対象児集めた割りには、
一人ひとりの子どもに絶対あったはずの変化を見落としてんじゃないの?」とか、
よく思ってたのですが、さすが大神先生でございます。
スクリーニングされた子どもたちの人数は確かに少ない。
なんせ新しい地域支援が、今模索されている最中なのだから。
でもね、一人ひとりの子どもたちの変化をきちんと追い続け、
そのときそのときに必要な支援が検討され、
実際に地域支援という形で実を結んでいる。これはとんでもないことだ。
わたしは、この糸島プロジェクトが「就労」「社会生活」段階に入るまで、
(乳児だった子どもたちは、ただいま小学校低学年でございますよ)
十年・二十年と見守り続けていきたいと思います!
やっぱりこの時期の発達過程を追い続けてきたことは間違いじゃなかったあ!
と、発達臨床現場の人が読まれたら、わたしと同じ感想をもたれるかと。
ちなみに、この糸島プロジェクトですが、
他地域は形だけを真似するのは芸がないと思います。
行政から下りてきたものしかしないのと同義なくらいに芸がない。
それぞれの地域にはそれぞれの特徴や背景がありますからね。
でも裏返して考えると、
それぞれ地域には「その地域だからできる支援体制の構築」があるということ。
とにかく読んでくださいませ。読まんと人生損してますよ。オススメでございます。
Trackback
http://moodycafe.blog23.fc2.com/tb.php/66-154fc0ef
